農地の相続税評価
≪ご相談≫
先祖代々農家をしております。農地を多数所有しておりますが、固定資産税の支払額は大きくいないので、評価も低いだろうと考えております。
しかし、近隣では多額の相続税を支払ったという話も聞きます。相続税の計算の際、農地はどのように評価するのでしょうか?
≪回答≫
農地は、政策上、固定資産税などは比較的低く抑えられていますが、評価対象の土地の所在地によって、予想以上に相続税評価額が高額になる場合があります。
≪解説≫
農地は、農地法などの法律により、宅地への転用が制限されております。
また、都市計画などにより地価事情も異なるため、相続税の計算上、農地を評価するにあたり、一定の考慮がされております。
1. 農地の種類
①純農地:宅地の影響を受けない農地
②中間農地:純農地よりも農業政策上の規制が少なく、売買の可能性が高い農地
③市街化周辺農地:市街地に隣接する宅地化傾向の強い農地
④市街地農地:市街化区域にある農地
実際には、国税庁が毎年公表する「路線価図・評価倍率表」の評価倍率表(一般の土地等用)に地域ごとに定められた農地の種類が記載されています。
ここを見て、上記のうちいずれの農地に該当すのるか判断します。
2. 評価方法
いずれの農地に該当するか判断した後は、その農地ごとに定められた次の評価方法により、評価します。
①純農地②中間農地
固定資産税評価額×倍率
③市街化周辺農地
その農地が市街化農地であるとした場合の価額×80%
④市街地農地
(その農地が宅地であるとした場合の価額/㎡-造成費の金額/㎡)×地積
※相続税の計算における土地の評価は土地によって考慮すべき点や計算方法が異なります。