【期限注意】相続手続きの期限や注意点、放置するデメリットを解説
大切なご家族がなくなったばかりでつらい時期ですが、期限のある相続手続きもあります。
相続手続きの期限を過ぎてしまうと損をしたり、ペナルティを被ってしまうことになります。
今回は、期限のある相続手続きについて専門家が詳しく解説します。
【一覧】期限のある相続手続き
期限のある相続手続きは以下の通りです。
どんな手続きをいつまでに終えなければならないのか、まとめました。
手続き内容 | 期限 |
---|---|
相続放棄・限定承認 | 3ヵ月以内 |
準確定申告 | 4ヵ月以内 |
相続税申告・納付 | 10ヵ月以内 |
遺留分侵害額請求 | 1年以内 |
相続登記(2024年~) | 3年以内 |
生命保険金の請求 | 3年以内 |
預貯金の手続き | 5年以内 |
相続税の還付請求 | 5年10ヵ月以内 |
期限のある相続手続きの詳細
具体的にどのような手続きなのか、誰が対象なのかを解説します。
期限を過ぎてしまった場合のペナルティや申請の注意点、延長可能かなどもお分かりいただけます。
相続放棄・限定承認※3ヵ月以内※
相続した財産について、すべてまたは一部を放棄する場合、相続開始を知った日の翌日から「3ヶ月以内」に、家庭裁判所へ申述をしなければなりません。
相続放棄、限定承認とは?
相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も相続せず相続権を放棄することです。
基本的には借金などマイナスの財産がプラスの財産額を超えてしまう場合に、相続放棄をします。
限定承認とは、相続人が相続したプラスの財産の範囲内で、マイナスの遺産の債務を引き継ぐ相続ことです。
プラスの財産もマイナスの財産もあり被相続人の財産がどの程度手元に残るか不明で、資産超過なら相続したい場合に限定承認します。
相続放棄・限定承認は期限の延長が可能
相続放棄と限定承認の期限は3ヵ月は、遺産の相続方法(単純承認・限定承認・相続放棄)を選択できる期間、熟慮期間と呼ばれています。
何らかの事情があれば、この熟慮期間を延長することが可能です。
例えば、財産の種類や財産額が多くて複雑、相続人が海外居住で相続方法を決めかねる場合などです。
家庭裁判所で「熟慮期間延長の申立」をすれば、数カ月間熟慮期間を延長してもらえる可能性があります。
準確定申告 ※4ヵ月以内※
納税義務のある被相続人が亡くなった場合、準確定申告が必要です。
相続を知った日の翌日から「4ヵ月以内」が期限となります。
準確定申告とは?
準確定申告とは、被相続人に納税義務があった場合、被相続人の代わりに相続人が確定申告を行うことです。
相続人全員に準確定申告の義務がありますので、誰が行うのか決めておくと良いです。
準確定申告が必要なケース
被相続人が下記のようなケースに該当する場合は、準確定申告が必要な可能性が高いです。
・自営業者
・副収入があり確定申告義務があった
・2,000万円以上の給与所得があった
・400万円以上の年金受給があった
・2ヵ所以上から給与を得ていた
詳しくは国税庁のサイトで準確定申告が必要かどうかを確認できます。
少しでも心当たりがあるようでしたら、早めに確認しておくことをおすすめします。
相続税申告・納付 ※10ヵ月以内※
相続税申告と納付は、相続を知った日の翌日から「10ヵ月以内」に済ませましょう。
準確定申告とは異なり、こちらは相続人の相続した財産にかかる税金の申告と納付です。
注意点は、申告だけでなく、納付まで10ヵ月以内に完了させなければならないことです。
相続税申告・納付が必要なケース
相続税の申告と納付は全員が対象の相続手続きではありません。
相続税の基礎控除額を超えたケースで必要な手続きです。
基礎控除額の計算方法は以下の通りです。
基礎控除額=3,000万+600万円×法定相続人の数
相続した財産額が基礎控除額を超えてしまう場合、被相続人の居住地の管轄税務局に申告と納付をしましょう。
延納・物納とは?
相続税の負担が大きく、すぐに納付することができないことがあります。
場合によっては延納や物納が認められます。
延納
延納とは、相続税を分割払いする方法です。
ただし、以下の4つの条件をすべて満たしている場合のみ利用できます。
・相続税の納税額が10万円を超えている
・相続税の納税額が100万円以上または延納期間が3年以上で担保を提供できる
・延納申請書を相続税の納税期限までに税務署長に提出した
・一度に税を納めることが困難な理由がある
延納の期間や利子税については、相続財産や担保の種類によって変動します。
物納
物納は、相続税を「物」で納付する方法です。例えば土地です。
物納は、延納でも相続税の納付が困難だと判断された場合にのみ利用できます。
遺留分侵害額請求 ※1年以内※
遺留分侵害額請求は、相続開始と遺留分侵害の事実を知った日から「1年以内」が期限です。
「父が死亡したこと」と「不公平な遺言書があった」という事実両方を知った日から1年です。
遺留分侵害額請求とは?
遺留分とは、法定相続人が最低限相続できる相続割合のことです。
しかし、その遺留分を侵害されるケースがあります。
被相続人の遺言や生前贈与により、遺留分よりも少ないあるいは全く相続できない状態となることがあります。
法定相続人の権利である遺留分が侵害された場合、侵害された相続人は侵害者へと「遺留分侵害額請求」を行い、遺留分を取り戻すことが可能です。
生命保険金の請求 ※3年以内※
生命保険金の請求は、「3年以内」が期限となります。
被相続人が生命保険に加入していた場合、受取人に指定されていた者は保険金を受け取れます。
被相続人が生命保険に加入していたのかどうか確認をしてください。
相続登記 ※3年以内※
2024年より相続登記が義務化され、期限付きの相続手続きとなる予定です。
義務化により相続登記は、「3年以内」に行わなければならなくなります。
相続登記とは?
相続登記とは、不動産の名義変更手続きのことです。
不動産を相続したら、名義人を被相続人から相続人へと変更しなければなりません。
また、今回の相続登記義務化の法改正では、過去の相続不動産の相続登記も対象となります。
まだ相続登記の済んでいない不動産をお持ちであれば、早めに対応することをおすすめします。
預貯金の手続き※5年以内※
被相続人の銀行口座の払戻手続きは、「5年以内」です。
被相続人が亡くなってから5年以内に手続きをしなければ、遺産を受け取れないということになります。
各金融機関で手続きが必要です。複数の金融機関で口座を開設していることもよくありますから、メインバンク以外にも口座がないか確認しましょう。
相続税の還付請求 ※5年10ヵ月以内※
相続税の還付請求の手続き期限は、「5年10ヵ月」となります。
相続税の申告・納付の期限である10ヵ月からカウントしてちょうど5年です。
相続税を納めた後、相続税を納め過ぎたことが判明した場合に、申告をやり直して超過分を取り戻すことができます。
相続税を多く納付してしまう原因
以下のような事情が相続税を払いすぎに繋がります。
・相続税の計算を誤っていた
・不動産の評価額が誤っていた
・控除や特例を適用していなかった
不動産の評価は大変ですし、自分たちで申請する場合によくあるのが適用できる控除を知らなかったパターンです。
後々還付を受けることもできますがまた手続きとなり面倒ですから、申告時に念入りにチェックしましょう。
相続税が発生するような財産額の大きな相続は、専門家に相談するのがおすすめです。
相続手続きを放置するデメリット
期限のある相続手続きを放置すると、残念ながらデメリットがあります。
相続手続きを放置することでペナルティがある
ペナルティのある相続手続きがあります。
相続税の申告・納付や相続登記です。
延滞税を支払わなければならなくなったり、科料を科せられたりと金銭的なペナルティがあります。
相続手続きを放置することで控除や特例が適用できなくなる
相続手続きを放置してしまうことで、相続税の負担を減らすことができる控除や特例を適用できなくなることがあります。
以下のような相続税の軽減制度が適用できないと損ですよね。
・配偶者の税額軽減
・小規模宅地等の特例
・農地等の納税猶予の特例
・非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例
相続手続きは専門家に依頼してスピーディーに
期限内に手続きを行わないと正しく相続できないばかりか、ペナルティを課されることもあります。
相続手続きは意外と複雑かつ煩雑で、手間や時間もかかります。
ご自身で手続きをしようと思っても意外とスムーズに進まないことが多々あります。
また、法務局や税務署は平日のみ、夕方頃までしか受け付けてくれないことが多いです。
お仕事をされている方や日中お忙しい方は、なかなか準備や手続きに行けない!ということもあります。
期限内に手続きを完了させるために、不安がある方は早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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相続財産の価額 | 報酬額(税込) |
---|---|
200万円以下 | 165,000円 |
200万円を超え500万円以下 | 220,000円 |
500万円を超え5,000万円以下 | 220,000円~814,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 814,000円~1,364,000円 |
1億円を超え3億円以下 | 1,364,000円~2,904,000円 |
3億円以上 | 2,904,000円~ |